036

2022.10.25

Circulate without stagnating

メイクアップアーティスト / ANNAさん

People

色、質感、形で
動きを作る

Circulate without stagnating

My inner beauty tips
vol.01 メイクアップアーティスト / ANNAさん

ANNA / メイクアップアーティスト

学生時代はパリの音楽学校へ留学。ヘアメイクの専門学校でメイクを学び卒業後はメイクの勉強をするために再度パリへ。2013年に帰国し、「OTA OFFICE」のfusako氏に3年師事した後、2017年に独立。現在はフリーのメイクアップアーティストとして、ファッションを中心とした雑誌や広告、カタログの現場で活動中。
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色、質感、形で動きを作る
メイクアップアーティスト ANNAさん

ファッションを中心とした雑誌、広告、カタログの撮影現場で活動する
メイクアップアーティストのANNAさんが、
仕事をする上で大切にしていることは、「常に自分をフレッシュな状態に保つこと」。
"古いものを滞らせずに、循環を良くしていく”ことで、クリエイティブと向き合い続けています。
キレイを表現するクリエイターさんの仕事観を紐解く全3回の本連載、
取材と同時に「仕事をする上で大切にしていること」を軸に、
ご本人ディレクションのヴィジュアル写真撮影も行いました。
ANNAさんのクリエイションに触れながら、
仕事への思いや日常に役立つメイク術などをお届けします。

メイクアップショーに感化されてメイクの世界へ

高校卒業後はクラリネットを勉強するために、パリへ音楽留学をしていたANNAさん。一時帰国していたときにたまたま訪れたコスメブランド主催のイベントが、メイクアップアーティストを目指すきっかけになりました。

「初めてメイクアップショーを映像で見たとき、衝撃を受けたんです。メイクでここまで自由に幅広い表現ができるんだ、と。当時、当たり前のように音楽を生業にしていくつもりだったのですが、無意識に自分のいる環境に疑問を持っていたんです。それに気づかされた瞬間でした」

自分の直感を信じてメイクの道に進むことを決め、イベントから3ヶ月後にはメイクの専門学校に通っていたというANNAさん。「表現することが好き」という純粋な気持ちが、その行動力の根源だったと語ります。

「音楽も表現するという意味では同じ。今でも音楽は好きで続けています。ただ1日6〜7時間、部屋の中に閉じこもって練習するのが当たり前な世界。当時の私がメイクの道に飛び乗ったのは、今振り返ると、“もっと色んなものを見たい”という好奇心旺盛な気持ちが影響していたのだと思います」

メイクを「リズム」や「テンポ」で捉えて表現する

そう語るANNAさんですが、音楽と真剣に向き合っていた経験が、今の仕事に活かされていると感じることもあるそう。

「例えば、アイラインを1本引くだけで顔の印象が鋭くなる。逆にアイラインをなくしてチークだけを入れるとほんわかする。そういう印象の変化を、雰囲気や空気の『流れ』や『テンポ』、『リズム』で捉えながら、表現している感覚があるんです。『突き抜ける速さの黒』とか、『ズドンと沈む黒』とか。無意識にそういう言葉を発しているなぁという気づきもあって、音楽とメイクの表現が、自分の中で最近リンクしてきているように思います」

『こういうメイクをして欲しい』とオーダーを受けて、イメージを固めるときに最初に思い浮かぶのも、イメージ像のリズムやテンポ。楽器を演奏しながら長時間、音楽と向き合った経験によって養われたリズム感やテンポを捉える感覚が、クリエイションに必要な感覚になっているそうです。

大事にしているのは「古いものを滞らせず、循環させる」

仕事をする上で大切にしていることを軸にディレクション頂いた作品のテーマも『循環』。ここにも流れやリズムと関連する言葉が登場します。

このテーマを選んだのは『自分自身が常にフレッシュでいること』を心がけているから。いつでもフレッシュな視点、感性、考え方を意識することで、自分の中を循環しやすい環境に整え、それによって新しいものを生み出しやすくなる。そんな感覚をご自身が持っているからだそうです。

「写真という静止画の中に"空気が流れて、循環している様子”を表現しました。メイクをする上で大切にしている色、質感、形。この3つをコントロールしながら、動きを出しています」

具体的には、顔の中でも違う場所にそれぞれチークを入れることで、流れを表現。最初は部分的に入れていたところ、途中で"つながり”がないと、動きが表現できていないことに気づき、顔全体に幅広くチークを入れたものが完成形になりました。

「使っているVitaのチークは、全部で4色。コーラル、テラコッタなどのオレンジ寄りの色味と、カームピンク、カシスローズなどのピンク寄りの少し青みが混ざった色味を、あえて一緒に入れることでバランスを崩してモダンさをプラスしています」

今回ANNAさんが作りたかったイメージは、モダンさを感じるけど、どこかほっとする安心感がある。芯はあるけど、強すぎない。そんな女性像です。そういう女性はどんな表情をするのか。どんな服を着たり、どんな佇まいをするだろうか…。それを想像しながら作り上げていったそうです。

ヴィータ スキンブルーム チークス
(チーク・フェースカラー) 01 コーラル
1,650円(税込)

ヴィータ スキンブルーム チークス
(チーク・フェースカラー) 02 カームピンク
1,650円(税込)

ヴィータ スキンブルーム チークス
(チーク・フェースカラー) 03 テラコッタ
1,650円(税込)

ヴィータ スキンブルーム チークス
(チーク・フェースカラー) 04 カシスローズ
1,650円(税込)

作品の中の「つながり」が重要

こういった作品作りの「つながり」は、ANNAさんが普段の仕事の中でも意識していること。『この色を使って欲しい』と、クライアントさんに言われたときは、この色を使う人ってどんな人だろう? どんな気分のときだろう? こういう服を着るならこういうメイクを好むから、こういうアイラインかな?など、つじつまが合うようにストーリーを作り上げていく感覚でキャラクター設定を練っていきます。

「何事にもルーツがあります。それを理解し、自分なりに噛み砕いて、メイクで伝えていく。それが表現するプロフェッショナルとしての仕事なのかなと思います。もちろん自分はまだまだと思う部分もありますが、いいものを作り続けるという信念を持ちながら、これからもクリエイションと向き合い続けていきたいですね」

ANNAさん流の「除いて、与える」メイク術

最後にANNAさんがプライベートのメイクについて伺いました。ナリス化粧品の美容理念である「除いて、与える」をテーマに、今スグ真似できるメイク術を教えていただきました。

「私は普段ベースメイクをあまりしないのですが、代わりに頬骨の上やアイホールのハイライトを入れる部分にバームやオイルを少し塗って質感を出しています。水々しさがほんのり加わって、フレッシュな印象を作ることができるんです」

肌に色を重ねることをしない代わりに、質感を出してヌケ感を出すというテクニック。特に乾燥しやすい冬におすすめだと教えくれました。そして、もうひとつ最近ANNAさんがハマっているのが「アイラインの2色使い」だそう。

「アイラインは黒一色で目に強さを出すのが定番ですが、あえてその強さを取り除いてみる。代わりに淡い色と、それよりも濃い色味の2色使いでグラデーションを作ります。
色の強さを取り除き、色のグラデーションを与えることで奥行きが出て、顔の表情に優しさがプラスされます。今日の私のアイメイクも、グレージュ(薄い色)とブラウン(濃い色)を重ねています。薄い色を少し長めに引くのがポイントです」

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Staff

Model : Hiromi Ando(mille management inc.)
Photographer : Misuzu Otsuka
Writer: Ayano Sakamoto
Make-up : ANNA(S-14)
Hair: Miho Emori(KiKi inc.)
Stylist: Rieko Sanui
Editor: Marika Tamura、Ayano Homma (Roaster)
Director: Sayaka Maeda (FLAP,inc.)
Assistant Director: Mone Murata (FLAP,inc.)

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