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2022.11.08

How to spend the morning

フラワーショップ farver / 渡辺礼人さん 安樹子さん

PEOPLE

早起きして
朝の時間を充実

How to spend the morning

渡辺礼人さん・安樹子さんご夫婦が語る
除いたことで、生まれる余白
vol.09 後編

渡辺礼人・安樹子 / 『farver』オーナー

渡辺礼人・安樹子 / 『farver』オーナー

2010年、中目黒に『farver』をオープン。『四季の花をその時代の空気と共に料理する様に…』をコンセプトに、綿密なカウンセリングから『その人のライフスタイルに溶け込む花』を提案。生産地を巡り、生産者の想いを知るところから始まる徹底したセレクトで、日本の四季の素晴らしさを伝える花が並ぶ。現在はショップワークを中心に各種催事装花、広告撮影、商品開発やセミナー等、花を通した活動の幅は多岐に渡る。

farver
〒153-0061
東京都目黒区中目黒3-13-31 U-TOMER 1F
03-6451-0056
月~日 12:00~19:00
定休日 火曜日、第3月曜日
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早起きして朝の時間を充実
farver / 渡辺礼人さん 安樹子さん

純粋な心で、花の素晴らしさを人々に伝えたいと願う渡辺礼人さん・安樹子さんご夫婦。
花には気持ちを伝える力が宿るものだから、フラワーデザイナーの心が形となって現れます。
忙しい日々の中でも、夫婦がいつもポジティブで、花と家族、
そして、花を求めてやってくる、すべての人の暮らしに愛を向けられる原動力は“朝”の時間の使い方。
それは表現をする上でも大切な、五感を研ぎ澄ませることにも直結しています。
farver / 渡辺礼人さん 安樹子さんが語る
除いたことで、生まれる余白 前編はこちらから

朝の散歩で浴びる、太陽の光の心地よさを知って

仕事だけでなく、帰宅後は、主婦として育児と家事に忙しく働く渡辺安樹子さん。娘さんが小学校に上がる前は、寝かしつけたあとに家事の続きをしたり、自分の好きなことをする時間を持つようにしていましたが、疲れるとつい寝落ちしてしまい、何もやれなかったことに罪悪感を感じることが少なくなかったそう。

「そんな時間の使い方が変わったのは、朝の散歩が発端でした。主人は朝によく散歩をしていたので“朝に歩くのはいいよ”とよく話してくれていたんです。やってみたいなと思ってはいたけれど、娘がまだ小さくて朝に出かけられるタイミングがなく、ずっと行動に移せずにいたんですよね。子供が成長し、小学校に上がったタイミングがちょうどコロナ禍。学校もお休みなってしまい、家でどんな風に過ごそうか娘と話したとき“毎朝散歩をしてみようか”ということになったんです。それで、娘が朝起きてから一緒に歩くようになったのですがこれがなかなか楽しくて。不思議と愛犬のナナが、日の出とともに起きるようになったのもこの頃。“ごはんちょうだい”と起こされるようになり、早起きする習慣が出来上がっていきました。娘の睡眠のリズムも整ってきたので、娘を寝かせたまま、日の出前にナナの散歩をするようになったんです」(渡辺安樹子さん)

ご自宅から歩いて15分もすると、大きな公園に到着します。

「そこで浴びる朝日の気持ちよさは、何と表現してよいのか分からないほど。主人が言っていたのは、このことだったんだ、と感動し、太陽を感じるほど、心がどんどん前向きになっていくのを感じました」(渡辺安樹子さん)

「どんなに暗く落ち込むことがあっても、朝日を浴びると心から気持ちいいと思えるんです。前編でもお話した夫婦のすれ違いに悩んだ1年も、この公園で太陽の日差しを浴びて、気持ちをリセットしに来ていました。僕は朝日を浴びながら、周囲の匂いがわかるようになるまで長く、深呼吸をするのが好きなんです。吐いて、吸ってを繰り返すうちに、心身が整っていくんです」(渡辺礼人さん)

静けさの中で冴えていく五感

心地よい静寂の中にいると、心と体はどんどんクリアなっていくもの。朝の散歩は、そんなことにも気づかせてくれました。

「朝の時間は、五感が冴えているのが分かるんです。春は鶯(うぐいす)のきれいな鳴き声が聴こえてくるし、夏は蝉の鳴き声、今朝は鈴虫の大合唱に耳を澄ませてきました。花の仕事をしているので、職業柄、道の植物に目がいくのですが、変化していく花々の様子に四季を感じます。毎日同じ道を歩いていても自然は表情を変えるので、1日として同じ日がないことに心を揺り動かされました。季節によって変わる空の様子も、何度見ても美しいと思います」(渡辺安樹子さん)

言葉は交わさずとも、朝の公園で想い想いに過ごす人たちと顔を合わせるのも、ほっとする瞬間だそう。

「階段の踊り場で、ずっとストイックに登り降りしている方がいるんですよ。今日もいたって思うとなんだか嬉しい。もしかしたら向こうの方も“今日も散歩しているな”と思ってくれているかもしれません」(渡辺安樹子さん)
「公園には年配の方々が多いけれど、自分より年上の方々が元気に過ごしているのを見かけると、パワーを分けていただけるんですよね」(渡辺礼人さん)

そんな、小さな幸せを噛み締められるようになった愛犬ナナとの朝の散歩は、夫婦にとって欠かせないエネルギーチャージの習慣になっているそうです。

家事や、植物に触れる時間も楽しい 充実した朝の時間

娘さんを寝かしつけた後に行っていた家事や自分の時間は、朝の散歩の後にスライド。
夜にこなしていたTO DOを除き、朝の時間を長く与えたことにより、当たり前の仕事も新鮮な気持ちで取り組めるようになりました。

調和を大事にしているという、グリーンがいっぱいのリビングは、木の質感が活かされた空間。散歩から帰ってきたら、早速ここで家事を始めます。

「歩くことでスイッチが入るんです。掃除や花の水換えなど、植物のメンテナンスをしていると、なんだか元気が湧いてきます。夜は娘と一緒に寝る時間と割り切ってしまうことで、ずっと感じていた罪悪感もなくなりました」

夜は21時か22時の間にはベッドへ。規則正しく繰り返される自然のリズムに合わせるように目覚め、太陽の光に喜びを感じる夫婦の毎日は、まるで花のようです。

「朝の散歩で、五感で自然を感じるような、ささいな“いいこと”であっても、感情に抑揚が生まれるんです。小さなことだけれど、そんな心の揺れを大切にしたいと思います。それと同時に、満たされている状態だけでなく、辛い、悲しいという感情の抑揚も、常にフレッシュな気持ちでいるために必要なものだと思います。この家を建てて、家族の間でさまざまなことがあったけれど、それが分かってから、いろいろなことが開けていったような気がするんです」(渡辺礼人さん)

『除いて、与える』決断は、働き方=生き方を変えた

最後に、『除いて、与える』というナリス化粧品の美容理念と、渡辺礼人さん・安樹子さんご夫婦の価値観が重なる部分を尋ねると、率直に“生きること”だと答えてくれました。

「夫婦で仕事をする僕たち家族の転機となった、仕事とプライベートの区別は、視野をぐっと広げてくれました。それにより、いろんなことに感動できるようになりましたし、当たり前のことに感謝できるようになりました。『除いて、与える』というアクションを起こしたことが、今の仕事にも繋がっていると思います。そして、働くことは生きていくことです。除いてあげることで、新しい道が開けた気がします」(渡辺礼人さん)

「主人が言うように、当たり前だと思っていることって、実はとてもありがたいことなのですよね。『除いて、与える』ことの大切さを知ったからこそ、毎日太陽が登るという自然の摂理にも感謝しています。花の仕事は天候に左右されるものなので、より強くそう思います」(渡辺安樹子さん)

渡辺礼人さん・安樹子さんご夫婦が今一番やりたいことは、“家族旅行”。
今よりもっと知見を広めたいから、初めて訪れる場所で、何かを吸収する旅に出たいと話します。

「家族で沖縄か海外旅行に行きたいです。娘にもいつもと違う景色を見せてあげたい。今、いろんな言葉を覚えているところだから、感じたことをどんな風に表現してくれるのかも、とても楽しみなんです」(渡辺礼人さん)

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Staff

Photographer : Mitsugu Uehara
Writer:Ai Watanabe
Editor : Ayano Homma ,Marika Tamura (Roaster)
Director : Sayaka Maeda (FLAP,inc.)
Assistant Director : Mone Murata (FLAP,inc.)